大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)225 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人松永芳市の上告趣旨は末尾添付別紙記載のとおりである。弁護人松永芳市

の上告趣意第一点について。

死刑そのものは憲法三六条にいわゆる残虐な刑罰でないことは、当裁判所の判例

(昭和二二年(れ)第一一九号同二三年三月一二日大法廷判決)の示すところであ

るから、原判決の死刑の宣告を違憲とする論旨は理由がない。

なお量刑不当の主張は刑訴四〇五条に当らないから上告理由とならない。

同第二点について。

原判決は第一審判決の量刑を不当としてこれを破棄し、刑訴四〇五条但書により

直ちに判決をすることができるものとして、第一審判決の認定した事実に法律を適

用し、被告人を死刑に処したものであつて、かかる場合原判決は第一審判決の判示

事実並びに証拠を引用したものと解することができるのであるから、原判決に所論

(一)のごとき違法はない。また裁判所が所論のごとく窃盗の目的物の品目数量に

ついて公訴事実と一小部分異なる認定をしても何等違法とするに足りないことであ

るから、原判決に所論(二)の違法はない。また記録によれば、原審において検察

官は被告人並びに弁護人の出頭している公判廷で所論証人を申請するに当り、その

立証の趣旨及び尋問の内容について述べていることが認められるのであるから、そ

の公判廷外での証人尋問について所論の尋問事項予知の手続がなされなかつたとし

てもこれを違法とするに足りない。(なお所論証人の原審における供述は原判決の

証拠となつていない。)従つて原審訴訟手続に所論(三)のごとき違法はない。さ

れば所論(一)乃至(三)の違法があることを前提とする違憲の論旨は、その前提

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を欠くものであるから理由がない。

なお記録を調べても本件について刑訴四一一条を適用すべきものとは認められな

い。

よつて刑訴四〇八条一八一条に従い裁判官全員一致の意見により主文のとおり判

決する。

昭和二六年八月九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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